
フィットネスクラブやゴルフレンジ、キッズルームなども備えた、タワーマンション。この上なく便利にも思えるが、デメリットもあると気付かされたのが、2019年10月に襲来した台風19号の時。電通マンである筆者が理事長を務めるタワマンも、強風で飛ばされたエアコンの室外機によって窓ガラスが破損し、エントランスが雨水で溢れかえるほどの事態になった。※本稿は、竹中信勝『タワマン理事長 - ある電通マンの記録』(ワニブックス)の一部を抜粋・編集したものです。
ベランダが水浸しに……
犯人はいったい誰だ!?
定例の理事会で、理事から「管理会社から3階の居住者のベランダが水浸しになっていると報告がありました」と報告がありました。報告の報告。そんなことより、ベランダが水浸しのまま暮らしている居住者は大丈夫なのか?そもそも雨どいを詰まらせるって、とんだ迷惑行為では?管理会社からの報告では3階の居住者が犯人扱いされているようでした。雨どいは共用部に該当するため、ベランダで鉢植えなどから土が流れて雨どいを詰まらせた場合は、個人負担で修理をお願いしなければなりません。
百聞は一見にしかずということで、後日、問題となっている居室を訪問してベランダを見せてもらいました。ベランダには鉢植えどころかなにも置かれておらず、プールのように水だけが溢れかえっていました。落ち葉が積もっているようにも見えません。素人では解決できそうにないので、業者に依頼して詳しく調査をしてもらうことになりました。
後日、調査に来た業者が配管を調べたところ、3階の住人の無罪が判明。むしろその方は被害者で、他の3階の住人のベランダも水が溢れていることもわかりました。原因は、長年にわたり上層階から流れてきた土砂が堆積して3階の高さまで積もり、3階で雨水が溢れたとのこと。当然、3階の居住者に非はありません。