2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ひとつの黒い丸によって、他の11の宮が守られている
昔読んだ本の中に、こんなことが書いてありました。うろ覚えなのですが、次のような内容だったと記憶しています。
「私たちには、『12の宮』があって、その宮には、必ずひとつ黒い丸がある」というものです。
この話を思い出した私は、「12の宮」をつくってみました(本の著者が考えたものではなく、私が独自に考えたものです)。
「12の宮」を大きく2つに分けます。「家族・家系にかかわる6つの宮(1番目から6番目)」と「自分にかかわる6つの宮(7番目から12番目)」です。
「家族・家系にかかわる6つの宮」の1番目は「家系運」、2番目は「親運」、3番目は「子ども運」、4番目は「兄弟運」、5番目は「親戚運」、6番目は「配偶者運(結婚運)」です。
7番目から12番目までが「自分にかかわる6つの宮」です。7番目は「金銭運」、8番目は「財産運」です。
「金銭運」は、「出入りするお金の運」ですが、「財産運」は、お金が自分にとって将来を安定させる財産になるかどうかであり、「金銭運」とは微妙に異なります。
9番目は「仕事運」、10番目は「健康運」、11番目は「友人運」、12番目は「異性運」です。
この「12の宮」には、必ず黒い丸(=キズ)がひとつあります。
本の著者によれば、この黒い丸はグルグル回っていて、「12の宮」の中の「順調ではない宮」「うまくいっていない宮」にあらわれるそうです。
たとえば、「仕事運」や「金銭運」は順調だけれど、「健康が思わしくない」のであれば、黒い丸は「健康運」にあらわれます。
そして、健康が改善されて悩みがなくなると、他の「宮」に移動する。黒い丸が「12の宮」を回っている以上、「人間は必ずどこかで悩み苦しんでいる」というのがこの著者の考え方でした。
「どこかに必ずキズがある」「どこかに必ず黒い丸がある」という考え方は、見方を変えると、「そのひとつの黒い丸によって、他の11の宮が守られている」と考えることができるのではないでしょうか。
「この黒い丸のおかげで、他の宮(運)が守られている」と思うことができれば、「黒い丸」に心の底から手を合わせることができそうです。
それだけではありません。この黒い丸に対して、「ありがとうございます。黒い丸があるおかげで、あとの11の宮が守られています」と感謝すると、黒い丸が消えてしまうことがあるらしいのです。
世の中には、「運」というものが「幸・不幸」という形で存在しているわけではありません。
実際には、幸という現象も、不幸という現象も存在していません。
ですが、便宜的に、「不運がひとつあることによって、他の11の宮では不運がない」「ひとつの黒い丸が、残りの宮を守ってくれている」と解釈することで、気持ちがラクになったり、問題が解決することがあるようです。