【投資の神様はこう見る】どんなによい事業も腐らせる経営者を見極める3つの条件

「投資の神様」と呼ばれ、94歳となった現在もその一挙手一投足に世界中からの注目が集まるウォーレン・バフェット。「個人資産総額23兆円」「60年以上にわたり年平均リターン20％」「景気や感情に左右されない投資スタイル」――そんな〈生きる伝説〉を40年以上にわたって研究し続け、バフェットの「12の投資原則」「ポートフォリオ戦略」「お金に対する考え方」を誰にでもわかりやすく解説し、投資戦略や資産形成に実践できるようにまとめた一冊が『株で億兆を築くバフェットの法則』だ。本記事では、その一部を抜粋・編集し、お届けする。

「同調圧力」に屈しない

　新規の投資や買収を検討する際、バフェットは経営者の質を徹底的に見る。

　バークシャー・ハザウェイが購入する企業を経営・管理するのは、誠実で能力のある経営者で、バフェットが信頼できる人物でなければならないと語る。

　バフェットはこうも言っている。「すごいと思えない経営者には仲間に加わってほしくありません。事業の見通しがどんなに素晴らしくても同じです。ダメな人間と組めば、どんなによい案件もうまくいくことはありません」

　素晴らしいと認めた経営者に対して、バフェットは称賛の言葉を惜しまない。

　バークシャーのアニュアルレポートにある会長からの手紙には、毎年バフェットからバークシャー傘下の企業の経営者に温かい言葉が贈られている。彼が所有する企業の経営について彼は徹底しているのだ。

　バフェットが経営者について検討する際、次の三点を重視している。

・経営者は合理的か
・株主に率直に話せる経営者か
・同調圧力に屈しない経営者か

　経営者に贈るバフェットの最大の賛辞は、その経営者が企業のオーナーのように堅実に考え行動したという言葉である。

　オーナーの立場で行動する経営者は、株主にとっての価値という企業の最終目的を念頭に置いていて、それを遂行するために合理的な意思決定を行おうとする。

　また、株主に誠実に報告する責任を果たし、「同調圧力」という横並び意識に盲従しない経営者をバフェットは高く評価する。

（本稿は『株で億兆を築くバフェットの法則』を抜粋、再構成したものです）