「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【658円のお弁当。税込価格はいくら?】すぐわからない人は数字に弱い二流。数字に強い人はどう考えている?Photo: Adobe Stock

税込の計算「×1.1」を効率的に掛け算する

658円のお弁当。税込価格はいくら?

みなさんは、消費税をどのように計算していますか? 消費税率が10%のとき、価格に「×1.1」をしたものが答えとなります。日々の買い物で税抜き表示を見るたびに、「なんで税込にしないんだよ……」と感じている人も多いと思います。

このように毎日使うめちゃくちゃめんどくさい計算ですが、でも実は消費税の計算は超カンタンな攻略法があります。その名も「横スライド算」です。今回は数字に強い人がやっている「面倒な計算をラクにする方法」を紹介していきましょう。

1ケタずらして計算する「横スライド算」

横スライド算を説明するために、まずは次の計算に変えて考えてみましょう。

658円×11

ここの掛け算を個数として考えてみてください。11個分とは、10個分と1個分の合計ですね。つまりが11個あるということですから、で考えてみましょう。ちなみに、658円は面倒なので、660円にして考えます。

660×11
=660×10+660×1
=6600+660

=7260

どうですか? 小さいテクニックですが、「×11」をするよりずっとカンタンですよね。これが横スライド算です。

ちなみに個数を数えるときには、10個分と1個分、と大きいほうから順番に計算しましょう。660+6600ではなく、6600+660です。細かいですが、足し算がちょっとラクになります。

では肝心の「658円の税込金額はいくらか?」ですが、これは7260円を1ケタ下げればだいたいの金額が求まりますね。つまり、726円弱です。だいたい720~730円ですね(実際は約724円)。

数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まる」

 このように、数字に強い人は面倒な計算は極力省きます。また、計算が面倒になりそうになったら、できるだけカンタンな計算になるように数字をほどよく調整してしまうのです。

 数字に強い人はこういった柔軟な考え方をすることができる人です。逆に言えば、「数字に弱い人」は目の前にある面倒な数字に何の工夫もせずにそのまま立ち向かって撃沈してしまいがちです。

 数字を扱う前に、まず一歩立ち止まることを心がけてみるとよいでしょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)