そんな生活を続けるうちに体調を崩し、診断は胃潰瘍の初期症状。ストレスと過労が原因でした。諦めの気持ちで働き続けるなか、転機となる出来事が訪れました。

 その日、営業部で仕事をしていると、上司から急遽男性社員の見積もり作成を頼まれました。そして引き受けると、その後の飲み会でこう言われたのです。

「さやかさんは、これだけのお給料でこんなに仕事をしてくれて、コスパがよくて助かるよ」

 私はその言葉に、胸が張り裂ける思いがしました。上司はとてもいい方でしたし、育ててもらった会社にはとても感謝しています。

 ですが、当時の私の手取りは20万円。長年こなしてきた仕事量に対しての対価とはとても思えませんでした。

 限られた時間で育児をしながら働く私にとって、上司が「コスパがよい」と評価した瞬間、働くことの意味を問わざるを得なくなったのです。

月商100万円を達成できたのは「数字で未来を決めた」から

 家族のため、自分のため、このままではいけないと決意し、まずは何でも試そうと、パラレルキャリアの探求を始めました。

 パラレルキャリアとは、ピーター・ドラッカーが最初に提唱した概念で、本業と並行してスキルアップや自己実現を目指す第二のキャリアのことです。

 この頃の私は、自分に合った複業を探しながら、資格取得にも力を入れていました。取得した資格は30以上にのぼります。

 知識はあるはずなのに、なぜかうまくいかない……。そんな日々が1年ほど続いたあと、初めて手応えを感じる仕事に出会いました。

 ブログやFacebookでの効果的な情報発信法です。インターネットを通じて情報を発信し、人に教える仕事は「自分に向いているかも?」と自信がないながらも少しずつ感じられました。

 しばらくして、オンラインセミナーで初めて5000円の売り上げを得ることができました。5000円の収入後も月の売り上げは平均1万円程度で、家計を支えるには程遠い額でしたが、仕事の面白さがモチベーションとなり、コツコツと続けることができたのです。