決めるのが大事という話をすると、「任せてください、私、飲み会の幹事をよく引き受けるので『決める』のは得意です」とおっしゃる方もいますが、ここでお伝えする「決める」は、飲み会の幹事でのお店決定やランチのメニュー決めなどの日常的な決定とは別次元の覚悟のようなものととらえてください。

決めるだけで、人生は驚くほど変わる

 ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授によると、人は「今日はどんな服を着ようか」「朝食に何を食べようか」などの決断(選択)を、1日に最大で3万5000回も行っているそうです。

 これら決断の中には「常識的にそうするのが当たり前だから」「みながそうしているから」という消極的な理由で行われているものも多くあります。

 でも「決めるを決める!」は、それらとはまったく異なる次元の大事な決断です。

 この「決めるを決める!」と「行動すること」は密接に関連しています。

「無意識に(そうせざるを得ないから)決めたこと」よりも、「決めるを決める!」で主体的に決断したときのほうが、脳が活性化し、行動量が増え、予期せぬ結果も出やすいのです。

 自発的に自分で決めた行動は価値が高く、楽しんで続けられますが、人に決められたものは「やらされている感」があり、行動の価値を見出すのが難しくもなります。自分のことを自分で決めること(自己決定)は重要です。また、その説を裏付ける研究結果もあります。

 玉川大学脳科学研究所の松元健二教授とイギリス・レディング大学の村山航講師が「自分がこれから遊ぶゲームのデザインを、自分で選んだときと強制的に選ばされたときとで、脳活動がどう異なるか」を調べました。

 ゲームのデザインを自分で選んだ(自己決定した)場合。たとえゲームで失敗しても、前頭前野腹内側部がそれを「成功のもと」とポジティブにとらえ、やる気がアップしたり、課題の成績が向上したりすることが示されています。

 未来は自分で決めてしまっていいのです。あなたも未来を自分で決め、行動し続けてみませんか。きっと、人生が大きく変わるはずです。