
「お金と福祉の勉強会」代表で“税の達人”である太田哲二氏の新刊『しぶとく生き残る秘策77』には、住宅ローンの返済が苦しい、家賃が払えない、借金に困っているなど、人生のピンチを切り抜ける秘策が記される。そして手元に残る「お金が足りない」ときは、きちんと控除を受けることが欠かせないという。扶養控除の活用について聞いた。(聞き手/ジャーナリスト 笹井恵里子)
ちょっと待って……
税金が「高い」と嘆く前に見直すこと
私のもとには「税金が高い」という愚痴のような相談が多く寄せられます。「高い」と嘆く前に余分な税金を支払っていないか、見直してみましょう。
よくあるのは、自分たちは東京や大阪に住み働いていて、両親が地方で暮らしているケース。別居していると「扶養控除」が活用できないと思い込み、ぼんやりしている人が非常に多い。
扶養とは、簡単にいえば自分の収入だけでは生活できない親族を、経済的に支援すること。扶養控除の要件は、次の4つです。
(1)6親等内の血族、3親等内の婚族(16歳未満は適用なし)
(2)年間合計所得金額が48万円以下(給与所得のみは、収入に換算すると103万円以下)
(3)他の人の扶養家族、扶養対象配偶者になっていない
(4)青色事業専従者、事業専従でない
つまり要件の中には「同居」「同一世帯」という条件はないので、「田舎に住む自分の両親を扶養することが可能」です。