まずは朝食を見直すことから
糖質疲労を起こさない「食べ方」とは?
血糖値スパイクを起こさず、昼間眠くならない「ロカボ」な食べ方とは具体的にどのようなものか。
〈ロカボ食の実践法〉
・1食あたりの糖質の目安量=20~40gに
ごはんなら軽く半膳、食パンは8枚切り1枚が目安。
・おかず、特にタンパク質と脂質はしっかり取る。主食は最後に食べる「カーボラスト」で
おかずに含まれるタンパク質と脂質、食物繊維は血糖値上昇にブレーキをかけ、満腹感を長続きさせるので、おなかいっぱい食べる。これらのおかずをなるべくゆっくり食べ、最後(目安は食事開始から20分後)に主食(糖質)を取る「カーボラスト」にすると、糖質が控えめの量でも十分に満足できる。毎食、満足する量を食べることが、ストレスをためずにロカボを続ける秘訣だ。
・糖質量がオーバーしなければおやつもOK!
大福などの和菓子は内側も外側も糖質でできているので小サイズのものにしよう。一方、洋菓子は生クリームやバター、クリームチーズなどの脂質によって血糖値上昇が抑えられるメリットも。市販の低糖質おやつ(ロカボマークがついている)も利用しよう。
「朝食で血糖値を上げすぎて血糖値スパイクを起こすと、空腹感に抗えずに昼食で糖質がたくさん欲しくなり、さらなる血糖値スパイクを招きます。昼食も大事ですが、朝食で血糖値を上げないことも大事です」
ちなみに山田氏の休日の朝食は、卵3つで作るチーズたっぷりオムレツ、ツナサラダ(オリーブオイルをたっぷり)、ブランパン(バターたっぷり)、無糖高脂肪ヨーグルト、ナッツ、コーヒーが定番。
「タンパク質と脂質はたくさん取りましょう、とお話すると、高脂質な食事は健康を害するのでは……、と戸惑う方がいらっしゃいます。しかし、脂質を怖れないでください。肉や魚など脂質が豊富な食事を取ると、満腹感を高めつつ血糖値上昇を抑える消化管ホルモンの分泌が高まり、空腹を感じにくくなります。一方、脂質を怖れて摂取を控えると、満足感が減り、結果的にお腹が空きやすくなってしまいます」
昼食後の眠気やだるさに悩んでいるという人は、前述のように、ぜひ一度、食後の血糖値をチェックしてみよう。
「もし食後血糖値が正常であれば、睡眠不足や過労など生活面での見直しを。睡眠時無呼吸症候群などの別の病気が原因の可能性もあります。食後高血糖が判明したら、ふだん取る糖質を控えてみましょう。そのとき、くれぐれも『これからは糖質を我慢だ!』などと思わないこと。糖質を控える分、タンパク質と脂質が豊富な食事をしっかり取るよう心がけると、血糖値上昇にブレーキがかかり、午後もしゃきっと過ごせるはずです」
糖質の取り方を見直すことで、体を「血糖値スパイク」という見えない負荷から解放できる。日々の食事も、仕事の質を高めるための重要な武器になる。
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