職場で出世する人ほど「あえて知らないフリ」をする。その深すぎる理由

「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…！」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

「あえて知らないフリ」をする人は出世する

あなたは雑学に詳しかったりするでしょうか。

僕はメガバンクに勤める中で数多くの大企業の役員と今まで出会ってきましたが役員の人たちは本当に教養がある方ばかりです。たくさんの著名人と会食したり多くの芸術作品に触れたりと多面的な経験によって教養を深めていて、何度も圧倒されました。

しかし実は、仕事ができるビジネスパーソンはトークのテクニックとして「あえて知らないフリ」をすることがあります。今回は、なぜこのようなテクニックを使う必要があるのか、どのような効果があるのかを解説します。

「自分より教養がある人」は、付き合い方が難しい

例えば、あなたが何か雑学について仕事の同僚に得意げに語った時に、同僚から「それ知ってる。」と言われたらどうでしょうか。最初は不快には感じないかもしれないですが、あなたが期待したリアクションではないと思います。

また、その後にあなたの様々な教養に基づく雑学知識を披露した時に同僚から「うん、それも全部知ってる。」というリアクションだったらどうでしょうか。もうその同僚に対して雑学を披露することはしなくなると思いますし、もしかしたら交流自体を控えてしまうかもしれません。

このように、人は自分より教養のある人間に対してなかなかポジティブに感じないケースが多いです。もちろん、自分より格上の相手に対してはそうは感じないのですが、同格または格下に思っている相手が自分より教養があると分かってしまうとなかなかポジティブに付き合うことが難しいのです。

「知らないフリ」をして、相手に気持ちよく話してもらおう

仕事ができるサラリーマンはこの点を熟知しています。では、何をするのかというと、自分の知っている雑学においても、知らないフリをするのです。自分の方が深い知識を持っていたとしても、「そうなんですか！知らなかったです!!」と白々しく嘘をつくわけです。

これを使うだけで、相手は気持ちよく話をすることができます。知らないフリというのは、それだけ聞くとそこまで難しくないテクニックに思われがちですが、実は非常に奥が深いです。あなたももし自分が知っている話題を同僚が得意げに話し出したら、この高度な知らないフリを使ってみるようにしてみてください。きっと同僚との関係をより良いものにしていくことができるはずです。

（本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です）