
亡くなってすぐにはお葬式をあげてもらえない例が増えている。葬儀会社などの人手不足で火葬待ちの人が増え、待機させられた挙句にミスが多発、粗末で雑なお葬式になってしまい、かえって惨めな気持ちになった参列者もいる。人生最後の幸せとして“まともな葬儀”をあげるために今できることは。(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)
「火葬まで7日間待機した人」が
15%強もいる現実
〈父が他界し、葬儀社に電話しても断られてしまった。1週間待機した後のお葬式はオペレーションが雑でひどいものだった。後悔してもしきれない。親戚からは恨まれても仕方がない〉と嘆いているのは、先月、お父様が他界し、残された母を介護している牧田雄二さん(62歳・仮名)です。
牧田さんが特別ではありません。75歳以上の人口が5人に1人となる「2025年問題」が話題の昨今は、多死社会で、葬儀がまともに行えていません。関東地方では、特に冬に火葬待ちの人が増えていて、火葬までの待機日数が他界してから7日後だったという人が15.6%も占めています。
そのうえ、葬儀会社などの人手不足が起因し、やっとお葬式ができても、遺体を取り違えて出棺するなど最悪のケースが発生しています。こうした状況の中で、高齢となった自分の親のために、あるいは自分のために、いったいどんな準備をすれば幸せな最期を迎えられるのでしょうか。