ケースその2
決まりかけていた契約が先方の都合でキャンセルされたときに

「そんなバナナ~!」

 ビジネスシーンでは、こちらの能力や頑張りとは関係のないところで、残念な結果になることは少なくありません。オフィスで上司から「あの契約の件なんだけど、先方からキャンセルしたいっていう連絡があって……」と告げられたとします。

「ふざけるな!」という気持ちにはなりますが、ここで「どういうことですか!」といきり立っても、上司を困らせるだけ。かといって、あっさり「あ、そうですか」と引き下がったら、仕事に対する熱意を疑われかねません。それに理不尽な目に遭ったときは、納得できない気持ちをきっちり表明しておかないと、怒りが尾を引きそうです。

 そんなときに使いたいのが「そんなバナナ」という昭和フレーズ。「そんなバカな」だと怒りの気持ちが表に出過ぎてしまいますが、意味は同じだけど響きがマヌケな「バナナ」にすることで、穏便に溜飲を下げることができます。

ケースその3
思いを寄せていた女性がもうすぐ結婚するらしいと聞いたときに

「アッと驚くタメゴロー!」

 ひそかに憧れていた社内のマドンナ(←これも昭和なワード)が、もうすぐ結婚するらしいと同僚に聞かされました。付き合っているわけでも何でもないので、ダチョウ倶楽部ばりに「聞いてないよ~」と異を唱えるのは、ちょっとヘンです。「うわあ、残念だなあ」と嘆くのも、おこがましい感じでいまいちしっくりきません。

 そんな微妙な状況にピッタリなのが「アッと驚くタメゴロー」という昭和フレーズ。適切な距離感を保ったまま、それなりにショックな気持ちを表現できます。元ネタはジャズバンド兼お笑いタレント兼歌手グループの「ハナ肇とクレイジーキャッツ」のハナ肇さんのギャグ。ハナさんの名調子が記憶にある方は、口調を似せてみたり「~と来たもんだ」と続けたりしてみるのも一興です。

 ほかにも、会社の上層部が意外な決定をしたとか、取引き先に約束を破られたなどの場面でも、大いに活用しましょう。谷啓さんの「ガチョーン」も、ほぼ同じように使えます。