ケースその4
うっかりミスで部下や後輩にちょっと迷惑をかけて謝りたいときに

「許してちょんまげ」

 相手が誰であろうと、大きな迷惑をかけたときは、神妙な態度できっちり「申し訳ない」と頭を下げるのが、人としての基本です。しかし、常にきちんと謝るのがベストとは限りません。あえて軽く謝ったほうが、相手も気が楽という状況はよくあります。

 商談で部下と会社を出ようとした直前、急いで返信しておきたいメールが届いて、少し待たせてしまいました。幸い約束の時間にはまだ余裕があります。「ごめん、お待たせ」と謝ったあとで、サラッと付け加えたいのが、この昭和フレーズ。何が「ちょんまげ」なのかは意味不明ですが、お互いにほっこりした気持ちで、会社を出ることができます。

 軽く謝りたい場面では、ほかに「ごめんちゃい」や「めんごめんご」もオススメ。いずれも、口にするには勇気が必要ですが、言われた側は「勇気を振り絞ってなごませてくれようとした心意気」を受け取って、親近感や尊敬の念を抱くに違いありません(たぶん)。

ケースその5
部下たちと進めてきたプロジェクトが行き詰ってしまったときに

「いったんガラガラポンしよう」

 始めたことをストップするのは、かなりの勇気とエネルギーがいります。しかし、このまま進めても成果が望めない場合、早めに区切りを付けなければなりません。そんなときに重宝するのが「ガラガラポンしよう」という昭和フレーズ。「一丁目一番地」や「鉛筆なめなめ」と同様、ひと頃話題になった「おじさんビジネス用語」でもあります。

 つまりは「白紙に戻そう」「ストップしよう」という意味ですが、そのまま伝えると冷たくて高圧的な響きになりかねません。がんばってきた部下たちも、さぞ残念に思うはず。あえて「ガラガラポンしよう」という昭和感漂う言い方をすることで、部下のショックを少しでもやわらげましょう。

 ま、そんな配慮が伝わらず、部下に「不真面目な上司だなあ……」と悪く取られるリスクもあります。しかし、リスクを恐れていては何も得られません。