「経験豊富でもナメられる上司」と、「経験が浅くても信頼される上司」の決定的な違い写真はイメージです Photo:PIXTA

現場での実務経験を積まないとリーダーは務まらないという間違った定説が流布しているように思えてならない。むしろ、実務経験、現場経験のないリーダーこそが発揮できるリーダーシップ手法がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

現場経験がないと
リーダーは務まらないのか!?

「十分に実務経験を積まないとリーダーは務まらない」「自社の現場を知らない転職者がプロパー社員相手にリーダーシップを発揮できるわけがない」……と考えている人が少なくない。

 従って、「経験が足りないので、管理職登用を辞退したい」と思う人が出てくるし、転職者とプロパー社員との断絶が起きている組織もある。実務や現場の経験がないと、本当にリーダーが務まらないのだろうか。

 私はそうは思わない。反対に、実務経験や現場経験が、十全なリーダーシップの発揮を妨げているケースは山ほどある。むしろ、その業務を経験していない人の方が、リーダーシップを発揮できることもよくある。

 異なる業界での経営手腕を買われて組織のトップに就任する、いわゆるプロ経営者は、その組織の実務や現場を知らないリーダーとして成功している一例だ。では、現場経験のない人は、どのようにリーダーシップを発揮すればいいのだろうか。