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決定事項が曖昧なままで終わる会議は少なくない。それでは、組織の実行力」が低下するのは当たり前だ。一定時間内に合意形成でき、参加者のコミットメントを高めることができるリーダーが発揮している共通のスキルがある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
議論が紛糾して時間切れ……
「決められない会議」をどう変えるか?
参加しなければならない会議がたくさんあるが、終わってみると、何が決まったのかわからないということがよくある。異論や懸念が噴出し、紛糾し、収拾がつかないまま時間切れになってしまうケースは、その典型例だ。
この状況が放置されてしまうと、「発言してもまとまらないから、もう黙っていよう」「時間切れになるから、発言を控えよう」という諦めの境地に至る。ひいては、「誰も何も発言しないので時間の無駄だ」というような、会議に対する抵抗感を増幅させてしまう。
紛糾する場合も、誰も何も発言しない場合も、会議で合意形成できたのかできなかったのかが曖昧なまま終了時間を迎えてしまう。
しかし、中には、この人が進行役のときにはいつも時間内に会議が終わり、かつ参加者同士で合意形成できているというリーダーがいる。時間内に合意形成できる進行役と、そうでない人とは、いったい何が違うのだろうか。
このように申し上げると、「ファシリテーターとしてのスキルは多岐にわたるので、修得するには時間がかかる」「誰もが発揮できるようになるとは限らない」「結局は、会議参加者を引き付けることができるかどうかという人間的な魅力によるので、後天的には身に付かない」という反応に接することがよくある。
そうではない。実は、どんなリーダーでも、たった一つのスキルさえ発揮すれば、会議で一定時間内に合意形成できて、会議で決定したことを行動につなげることができる。