相談が通るメンバーとそうでないメンバーの違い
相談がいつも通るメンバーと、いつもはねられるメンバーがいます。その違いは何でしょうか? ぼくがいろんな組織で観察してきたところ、相談が通るメンバーには共通点があります。それは「相談の言語化レベルが高い」ということです。
●相談が通るメンバーの特徴
・状況を具体的に説明できる
例)「○○案件のAB工程で、△△という問題が発生しています」
・自分の検討内容を示している
例)「以下の3つの選択肢を考えました。1つ目は~、2つ目は~、3つ目は~です」
・判断に必要な情報を提供している
例)「予算への影響は約20万円、納期への影響は3日程度と試算しています」
・自分の意見を示している
例)「私としては2つ目の選択肢が最適だと考えていますが、いかがでしょうか」
このように言語化されていれば、リーダーも具体的に判断・指示ができます。一方、「大変です、どうしたらいいですか?」と漠然とした相談をもちかけると、リーダーがいろいろ考え、状況を汲み取り、頭をフルに使って会話しなければいけなくなります。これが面倒だと感じられると「そんなこと自分で考えろ」という反応になるんです。
効果的な相談の3ステップ
では具体的に、どう相談すれば取り合ってもらえるでしょうか? ここで3つのステップを紹介します。
ステップ1:状況を具体的に言語化する
まず、問題の状況を具体的に伝えます。「クライアントからのフィードバックについて相談があります」ではなく、「X社のプロジェクトで、先方の企画部長から『提案内容が競合と似ている』という指摘がありました。最終提案まで残り1週間しかありません。」というように具体化します。
ステップ2:自分なりの検討を示す
次に、自分がどう考えたかを示します。「どうしましょうか?」ではなく、「この状況に対して、①提案内容を全面的に見直す、②部分的に差別化ポイントを追加する、③現状維持で進める、の3つの選択肢を考えました」と、具体的な検討内容を伝えます。
ステップ3:具体的な質問・相談内容を明確にする
最後に、リーダーに何を相談したいのかを明確にします。「こういう状況です」で終わると、何を聞きたいのかわかりません。「私としては②の部分的に差別化ポイントを追加する案が良いと思いますが、追加すべき差別化ポイントについてアドバイスをいただけますか?」と具体的に聞きます。