バンクーバーやシドニーと同程度の治安

 留学となると、治安のよさも重要だ。フィリピンは地域によって雰囲気がまったく違う。バギオはどうだろうか。

「留学を検討されている人にとって比較的治安がいい印象のあるカナダのバンクーバーや、オーストラリアのシドニーと、バギオの治安指数はちょうど同程度です」長くこの土地に暮らし、いまでは一番バギオに詳しい現地在住日本人のひとりである、JIC日本マーケティングマネージャーの野口さんはそう話す。

 どうしてこのような安全な雰囲気が保たれるのか?その答えには、気候の影響が大きいように感じた。標高が高い(富士山の中腹程度)ため、気温は常に20度程度。そんな住みやすい気候でありながら、車で1時間半ほど走って海岸へ行けばいつでも泳げる程度の気温になる。常夏のフィリピンにありながら涼しい避暑地であり、誰でも住みたくなるのが理解できる場所だ。よって、比較的余裕のあるフィリピン人が好んで住み、訪れるという。確かに、ここには大がかりなイベントが行えるような大型の高級ホテルもあった。ここにはサウナ付きのSPAが日本よりもだいぶお得な価格で楽しめる。留学中の大人が勉強の合間のご褒美にゆっくりとラグジュアリーな気分になりに来るのにちょうどいいだろう。

クリスマスシーズンのフィリピンキリスト教国のフィリピンでは、「ber」のつく月、つまり9月からはクリスマスシーズンである Photo by Miho Takano
ライトアップされている11月のバギオ11月のバギオにはまるで軽井沢のような雰囲気があり、夜間のライトアップが美しかった。一人でタクシーに乗り、夜の街を帰っても、アジアの他の地域のような怖さを感じなかった Photo by M.T.

必要なものは、なんでも揃う。コンパクトな学生街

 留学に行けば数カ月を過ごすかもしれない場所なので、少し街の様子にも触れておく。バギオには目抜き通りが1本あり、その周辺ではひと通り必要なものが手に入るショップが揃う。大型のモールもここにあるため、忘れ物に慌てたり、現地の品ぞろえで我慢をするというような体験は少ないだろう。反対にいうと、このエリアさえ離れれば、喧噪から離れて生活をすることができるため、適度に便利で、落ち着きのある暮らしが叶うのだ。

バギオバギオでは「郊外キャンパス」とうたっている学校でも、タクシーで10~30分程度移動すれば、この中心街に来られる Photo by M.T.