
「英語が話せるようになりたい」そう思い続けている読者のみなさんに「人生を変える、ちょっと長めのオトナ留学」を提案する本連載。英語留学というとフィリピンのセブが有名ですが、ここはあえて「バギオ」をお勧めしたいこと(第1回)、2025年、コロナ禍を経て世の中の働き方が変わった今は、長い休みや会社を辞めずとも仕事をしながら英語を学ぶことができること(第2回)、逆にまとまった時間を作って留学できるオトナにお勧めな、老舗語学学校、専門特化校、コスパの良い学校、自由度の高い学校について(第3回)書いてきました。今回は、フィリピンの中でもあまり日本人に名の知られていないこの土地を勧める理由、そして「遠くて大変」といわれるマニラ経由バギオ入りの移動は実際にはどういう感じなのか、筆者が実際に現地入りしたときの様子を詳細に紹介します。(大人の英語学習法リサーチャー 高野美穂)
「ノンネイティブの中で英語力世界2位」ノルウェーを凌ぐ英語力
「アジアでもっとも流暢な英語を話す、意外なエリアとは?」
こう聞かれて、あなたはどこを思い浮かべるだろうか。アジアでもっとも流暢な英語を話す地域とは、フィリピンにある「バギオ」という地域だ。本連載ではここまで3回にわたってバギオの英語留学について紹介してきた。本気で英語を身につけたい人の留学先としてバギオを勧める一番の理由は、この地域で暮らす人々が奇跡的に英語が流暢だから、である。他のアジア各国、フィリピンの他の地域と比較しても、この地域で暮らす人々がとてもきれいな英語を話すことに感銘を受けた。
客観的な数字もある。世界中に語学学校を展開しているEFグループでは、毎年、非英語圏各国/各地域の英語力を調査し、数値化して示したデータを公開している。スコアの数値が高いほど、その地域で暮らす人々の英語力が高いことを示す。
2024年の最新データを見ると、フィリピン全体のスコアは570。この数字は、調査対象の世界116カ国の中では22位、アジアの中ではシンガポール(606、グローバルで3位)に次いで2位である。

ところがバギオ地域単体だと、スコアは615。フィリピンで一番の商業都市であるマニラ(592)を抜き、シンガポール(606)を凌ぎ、ひいては世界第2位であるノルウェー(610)をも上回る。こうして見ていくと、このバギオというエリアの特殊性が伝わるだろう。米国、英国への語学留学が高額になっている今、日本よりも物価が安い国でこれだけの英語環境が保てる利点は非常に大きいのではないだろうか。
