打合せや商談前の固い空気をうまくほぐせず、失敗してしまう。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「ビジネス会話では、その場の緊張をほぐす手段を知らないと損をする」と言います。本記事では、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えることを提案した『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

「タテマエで話す場」を「本音で話す場」に変えてしまう
「対話するプレゼン」では、商談や企画提案の前の「空気づくり」についてもいろんな方法を説明しています。
その中のひとつとして、最寄り駅から会議室に入るまでの間に目にしたことや、ふと気づいた「良いこと」を相手に伝える、ということがあります。
ここで重要なのは、お世辞を言うのではないということです。
本当に良いと感じたことや、素敵だと思ったことを率直に伝えると、相手も自然と喜んでくれます。
それは、相手(やその会社)の良さを見つけて受けとめる行為でもあります。
さらに、相手の笑顔を見ることで、自分自身も落ち着き、良いコミュニケーションのスタートを切ることができるでしょう。
重要なのは、「思ってもいないことは絶対に言わない」ということです。
不思議なことに、ウソは必ず相手に伝わってしまいます。
本当に感じたこと、実感したことだけを伝えることで、言葉に真実味が宿ります。
たとえ小さなことでも、自分が実際に感じたことを言葉にすることが大切です。
そのためには、日頃より相手や周囲をよく観察する必要があります。
まずは自分が心から言えるポジティブなホンネを伝えることで、相手との信頼関係を築いていきましょう。