作品の「中間発表」では辛口の“ダメ出し”が…
各チームには、プレミアグループの先輩社員がオブザーバーとして、また、音楽座のメンバー(=プロの俳優)がトレーナーとして付き添っている。

「オブザーバーやトレーナーは、参加者(研修受講者)の主体性を重んじて、過剰に介入せずに、入社3年目の社員自身が考えるようにしています」(田中さん)
まず、チームごとに審査員に作品を見せる「中間発表」の時間が設けられていた。その「中間発表」の様子を、私は動画で確認したが、どのチームも、審査員から厳しい批評を受けたことに、私は驚いた。
「『本気でやっているの?』『(その出来では)話にならない』『(自分で)恥ずかしくない?』など、私は相当厳しいことを言いました」――審査員の一人である石川聖子さん(音楽座ミュージカル チーフプロデューサー)は、私のインタビューでそう答えた。これまでの「バリューミュージカル研修」でも、「中間発表」では辛口の“ダメ出し”をしたという。

石川さんとともに審査を担う藤田さんが、そうした厳しい批評の背景を説明する。
「受講者の皆さんは、すごく悩んで、考えて、作品を創っているのですが、本質的に何を求められているのかを捉えきれていないと思いました。うまくいかない理由のひとつとして、『ミュージカルを創ることだけが目的になっている』点があるでしょう。真に何を求められているのかがわからないまま、表面だけで捉えるという姿勢は、仕事に置き換えれば、言われたことをやっているだけです」(藤田さん)
「中間発表」を終えて、どのチームも落ち込んだ様子を見せたものの、ダメ出しをされたことが奮い立つきっかけになったようだ。その後、研修受講者たちは、多くの議論を重ねながらミュージカル作品のブラッシュアップに努めていった。
「口論めいた激しさで話し合っているチームもありました。私たちに図星なことを言われてハッとしたり、間違いを指摘し合ったり……メンバー間で『気づく』ことが大切なのです。自分自身だけではなく、相手にしっかり向き合うことで、チームメンバーの絆も深まっていきます。結果、『中間発表』の場ではできなかったことや、自分が受け入れられなかったことに向き合っていけるようになりました」と、藤田さんが解説する。石川さんいわく、「内省し、自らの経験により、自らが気づくことこそが研修の肝」なのだ。
過去2回の「バリューミュージカル研修」でも、中間発表を経て、研修受講者たちが確実に変わっていったようだ。きっと、本番では、その成果を見せてくれるに違いない――私は大きな期待を持ちながら、各チームの作品が披露される会場に向かった。