【中学受験】塾がゴリ押す○○特訓や××合宿…「断ってOKな講座」と「受けた方がいい講座」の明確な違い写真はイメージです Photo:PIXTA 

新小学6年生向けに、そろそろ中学受験塾では「オプション講座」の申し込みが始まっている。通常授業に加えた「○○特訓」「○○講座」「○○合宿」などだ。これらの講座は本当に必要なのか? 受講することで弱点は克服できるのか? 志望校の入試問題に適しているのか…? オプション講座の選び方や、受講する場合に100%活用するためのコツをお伝えする。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之)

塾から「ほぼ全員が取っているオプション講座です」
と言われた時に考えたいポイント5つ

 大手の中学受験塾には、通常授業以外にも「○○特訓「○○講座」「○○合宿」のようなオプション講座が設置されています。塾から「ほぼ全員が取っている講座です」「合格した生徒は受講していました」などの説明があることに加え、「もし受講しなかったら、〇〇中は無理なんじゃないか?」「講座に行かないと家でダラダラするだけなので、それだったら受けさせた方がマシだ」との判断で申し込みをすることになります。

 今回の内容は、「絶対にオプション講座を受講するな!!」と言いたいのではなく、せっかく受講するならば貴重な時間と費用を有効活用するためのヒントを5つ紹介します。

(1)講座を取ると弱点がなくなるのか?

 少なくとも大手塾の通常授業のカリキュラムは、それだけ取っていれば「どんな志望校にも対応できる」ように指導内容が網羅されています。そう考えると、必修に近いような雰囲気を出されているオプション講座でも、本来は必要がないはずです(必修のオプションという言葉がすでに矛盾しています)。

 オプション講座の狙いは、〈1〉弱点の補強、〈2〉得意教科を伸ばす、2点に絞られます。特に「弱点を講座で無くしましょう」などの謳い文句で〈1〉をメインに塾から説明されると思いますが、実際には弱点がない生徒はまずいません。

 そして、弱点は生徒によってまちまちのはずなので、集団授業という形式で、過去に習ったことがあるとはいえ通常カリキュラムよりも短い時間の講座内で弱点をなくすことができるのでしょうか。

 また、塾によって時期は異なりますが、通常授業のカリキュラムが比較的ゆっくり目の塾であっても、夏期講習以降は「復習がメイン」となるため、通常授業でも弱点の克服は可能だということも覚えておいて損はないと思います。