慶應大学4年生にして起業家でもある高橋史好さんは、10代で最初の事業を起こし、いまはおしゃれなダルマを売る会社の社長だ。今回は、元々普通の子どもだったという高橋さんが起業家になった原点や、充実した人生を送るために心がけていることなどを聞いた!(取材・文:渡辺賢一 撮影:圷邦信)
窮屈な日本を逃げ出し、インドの高校に留学
インドの大富豪の言葉で価値観が一変!

──現役の慶應大生ながら、いくつもの事業を立ち上げてきたスゴ腕起業家の高橋さんですが、高校の途中まではフツーの女の子だったそうですね。
高橋 はい。群馬県高崎市で両親とに教員をしている家庭に生まれ、「学校の先生の子ども」として、高校までを地元で過ごしました。地方出身の人ならわかると思いますが、将来の職業のロールモデルといえば銀行員やお医者さん、親と同じ先生や公務員を思い描いていました。起業家になるなんて、想像すらしませんでした。
──それなのに、なぜ起業に目覚めたのでしょうか?
高橋 きっかけは、高校2年のときに1年間休学し、インドに留学したことです。「先生の子ども」という世間のイメージがあるので、小さいころから真面目に振る舞っていたんです。でも、窮屈さを感じるようになってしまって。「もっと自由に生きてみたい」と、親の大反対を押し切って、無理やり単身で飛び出しました。
──高2って、16歳でしょう? よく思い切りましたね! どんな留学生活だったんですか?
高橋 通った高校は貧しい生徒ばかりで、日本で言うところの“ヤンキー校”。一方、ホームステイさせてもらったのは、デベロッパー企業を経営するインドの大富豪でした。学校では貧乏な学生が30ルピー(約50円)の安い昼食を食べているのに、家に帰れば豪華な食事が待っていて、インドの底辺と頂点を同時に味わうという強烈な経験をすることができました(笑)。
──そこで価値観が変わった?
高橋 インドの大富豪のお父さんの生き方がすごく自由に見えたんです。それに「16歳で見知らぬ国に1人で来るなんて、君は絶対大物になれる!」と励まされ、起業を決意しました。
1年後に帰国しましたが、戻ってから早速ビジネスを始めました。最初はTikTokで「インド女子高生の日常」というテーマのコンテンツを配信。ほかには、高校生が対象の起業コンテストに参加し、トゥクトゥク(東南アジアのローカル三輪タクシー)を地域モビリティに活用するというアイデアが採用されたりしました。いまでも、群馬県桐生市で“市民の足”になっていますよ。
──10代から着々と起業の経験を積んだわけですね。その後は?
高橋 経営者として信頼を得るには学歴でも箔をつけなければと思い、猛勉強して慶應大学に入学。ほどなくして、インド人向けのYouTubeチャンネルを開設しました。日本の学生が、インドで人気の食品や映画などのコンテンツを体験し、その反応を動画として配信。
これが大バズリして、登録者20万人弱のうち98%がインド人視聴者というユニークなメディアに育てました。外国人の目から見たら、自分たちはどんな風に映るのかを知ることが、インドの人たちにとって新鮮な体験だったのでしょうね。