お金・健康・時間が好バランスのときを楽しむため、
27歳までを“お金のゲージを高める期間”と考える

──YouTubeは、いまでも続けているのですか?

高橋 いえ。2年ほどやっていたのですが、21歳のときにITスタートアップ企業に売却したんです。YouTubeの売却益を元手として、2023年に海外向けブランドを立ち上げ、現在に至っています。

──海外向けブランドは、具体的にどんなものを売っているんですか?

高橋 インドで作られるガラス製のリングの企画・販売から始めました。シーシャ(水タバコ)のガラスパイプを作っているインドの工場にデザインを持ち込み、作ってもらったものです。小さなボックスに、お菓子のように好みのリングを詰め合わせてもらって販売しています。インバウンドのお客さんが日本土産として買ってくださることが多いですね。

──新しいビジネスもインドつながりなんですね。ところで、YouTubeチャンネルをわざわざ売却してまで、なぜ新しいビジネスを始めたのでしょう?

高橋 他社製品を紹介することで収益を上げる事業だったので、自分の手で何かを生み出し、届ける商売がしたいという気持ちが強くなりました。それで、22歳でインバウンド事業を立ち上げました。幸先の良いスタートを切りましたが、27歳を一つの目安としています。

──えっ、なぜですか?

高橋 起業家の道を選んだからには、定年もキャリアの節目も、自分で決めるしかない。起業家として将来の目標や義務に集中するあまり、自身の人生や幸福を後回しにしてしまう人も少なくない。仕事と同じように、自身の人生や幸福にも真摯に向き合い、自らの意思で選択し続けることが大切だと思うんです。

 充実した人生を送るためには、“お金”“健康”“時間”の3つの要素が重要だと考え、それぞれのゲージを高めることを目標としています。ですが、健康は加齢に伴い不可逆的に低下するものです。

 私の両親は定年まで働き、老後を楽しむという考え方です。ですが、引退してから旅行やスポーツを楽しもうと思っても、“お金”や“時間”はあるけれど、“健康”が足りないので満足に楽しめないことは容易に想像できます。だったら、27歳までに“お金”のゲージを高める努力をし、3要素のバランスが取れた状態で20~30代を楽しんでみたいと思ったんです。

──ものすごく合理的な考え方ですね。確かに、20~30代の若い時期でなければ、体験できないことや感じ取れないこともありますからね。

高橋 同じ場所に旅行するにしても、60代で行くのと、20代で行くのとでは感じ方や感動の度合いが、ぜんぜん違いますよね。しかも、若いうちに経験したことは、その後の人生に長く影響を与え続けることになるので、幸福が複利で増大すると思います。私も16歳でのインドの経験が、起業家としての決断に大きく影響し、複利のように効果を発揮しています。