地元で作ったダルマを世界で売るために奮闘!
事業をさらに大きくするさまざまなプランを検討中
──若いうちの経験で幸福が複利で増大するとは、面白い発想です。高橋さんがこれまでいろんな事業に取り組んできたのも、若いうちにいろんな体験をしてみたいと思ったからですか?
高橋 ビジネスをやっていくうちに、思いがけないチャンスや人との出会いなどがあって、経営がどんどん楽しくなってくるというのは日々実感しているんです。最近、とくにそれを強く感じたのは、ダルマですね。
──えっ? ダルマですか?
高橋 もともと海外向けブランドはガラスリングの販売からスタートしたのですが、2024年からダルマの販売も始めたんです。普通の赤いダルマじゃなくて、ピンクやブルー、柄入りなどのおしゃれなダルマです。
──きっかけは何だったのですか?
高橋 あるファッションビルでリングのポップアップストアを出店したとき、客寄せのディスプレイとして並べたダルマがインバウンド客の目に留まり、「いくらでも出すから譲ってほしい」と言われたんです。これは、売れるんじゃないかと手応えを感じて、その2週間後には、ダルマを製品化して販売を開始しました。まだ事業化して1年ちょっとですが、売り上げは10倍以上と、リングを圧倒的に上回るブランドの主力商品となっています。
──なぜ、人気なのですか?
高橋 中国系のお客さんには、縁起物として受け入れられているようですね。日本の伝統を感じさせながらも、色柄のバリエーションが豊富で、おしゃれなアイテムに仕上がっていることも外国人の心をつかんでいるのだと思います。
ダルマは、ボディの部分をいろいろな色や柄にできるので、ハイブランドの柄や人気キャラクターをちりばめたものなど、さまざまなコラボレーションが実現できるはず。工芸品なら1個数千円程度のダルマが、1個百万円単位のアート作品となる可能性を秘めていると感じます。そうしたコラボレーションを実現するためにも、ひとまずパリコレでダルマをお披露目することを当面の目標にしています。
──そういえば、高橋さんの出身地は高崎市。高崎の地場産業といえばダルマですよね。
高橋 高崎は全国のダルマの80%を生産する国内有数の産地です。でも、ダルマの需要は年末年始と選挙シーズンに限られ、時代の流れとともに需要も減少しています。単価も高くないため、収益を上げるのは困難で後継者不足も深刻化しています。
そんな状況を打破して、生まれ育った地元をもっと面白くするためにも、おしゃれなダルマを海外に売り込んでいきたいですね。最近、ビジネスが面白くなっているので、27歳で事業を売却するという当初の考えが、ちょっと揺らいでいます(笑)。
ダルマを世界で売るためにも、製品をグローバルで販売できるリソースを持つ上場企業などに売却し、その会社の役員に任命してもらって事業を継続するといったビジョンも思い描いています。実際にどうなるのかは、これからのお楽しみです。