新年度が始まり、多くのビジネスパーソンが新たな目標に向かって走り出しています。「頑張って部下を率いて成果を上げよう」と思いを新たにしている管理職の方も多いことと思います。しかし、Z世代の部下に向けて何気なく発した一言が、新年度早々、部下のやる気を奪ってしまうことがあるようです。日本、中国とも100万部超、世界でシリーズ累計259万部突破のベストセラー『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんに、部下のやる気を上げる「伝え方」を教えてもらいました。(構成/伊藤理子)

新しいツールの使い方をマニュアル化して!
Web会議ツールやスケジュール共有ツール、進捗管理ツールなど、業務効率化や生産性向上につながるITツールが多数登場しています。新年度入りを機に、新しいITツールを導入した組織も多いのではないでしょうか?
新たに導入したツールをみんながスムーズに使えるようマニュアルを作ってほしいという場合、たまたま目についた若手にお願いするケースは多いと思います。そんなとき、「この新しいツールの使い方、マニュアル化しといて!」とストレートに伝えてしまうと、Z世代の部下はやる気を失ってしまうかもしれません。
仕事の中には、「誰でもやれるけれど、誰もがあまりやりたくない仕事」というものがあります。マニュアル化などは、その際たるものでしょう。「面倒くさい仕事を振られたな…」と思われるだけでなく、「他の人だっているのに、なぜ自分がやらなきゃいけないの?小間使いだと思っているのだろうか?」などとネガティブに受け止められ、信頼関係にヒビが入ってしまう恐れすらあります。
Z世代社員がやる気になる言葉とは?
Z世代の部下に気持ちよく、マニュアル作成に取り組んでもらうためには、このような伝え方がお勧めです。
◎「山田くんの説明がとってもわかりやすいので、新しいツールのマニュアルを簡単にまとめてくれないかな?」
これは伝え方の技術「認められたい欲」を使った伝え方です。人は認められると、相手の期待に応えたくなります。「山田君の説明がとってもわかりやすい」と伝えられれば、相手の印象は「誰でもできる雑務を振られてしまった」ではなく、「自分だからこそ、この業務を任せてくれたんだ」と思ってくれるでしょう。「ならば、できるだけわかりやすいマニュアルを作ろう!」と前向きに取り組んでくれるようになるはずです。
上司からの何気ない声掛けで、部下のやる気は大きくアップダウンします。面倒な仕事や、誰にでもできるような仕事をお願いしなければならない場面も多いと思いますが、そんなときこそ伝え方の工夫が必要なのです。
ポイントは、ストレートに要望を伝えるのではなく、相手の気持ちに立って「どう伝えれば気持ちよく取り組んでくれるか」を考えて言葉を選ぶこと。伝え方の技術を使って、部下が納得できるような伝え方をすれば、どんな仕事であってもやる気をもって臨んでくれるでしょう。