メールのラリーが続いたときに「感じよくメールを切り上げる一文」ベスト3とは?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

メールのラリーが続いたときに「感じよくメールを切り上げる一文」ベスト3とは?Photo: Adobe Stock

「これに返すべき?」と迷う

 ビジネスメールのやり取りで、「どちらが最後に送るのが適切か?」と悩んだことはないでしょうか。

 特に、やり取りを終えたつもりで「今後ともよろしくお願いいたします」と締めくくった後に、相手から「こちらこそよろしくお願いします」と短い返信が来たとき、「これに返すべき?」と戸惑うことがあります。メール研修で、このご質問も、よくお受けしています。

 一般的に、メールのラリーは「1.5回の往復」が理想とされます
 つまり、メールを書いた側が1回、受け取った側が1回返信し、それに対して最初の送信者が「承知しました。ありがとうございました」などの短い一文を添えて終える、という流れです。

 しかし、相手が顧客である場合や、サービス提供者としての立場でやり取りをしている場合は、最後の返信をこちらで締めくくるのがスマートです。

 たとえば、サービス提供者であるあなたが、問い合わせされたお客様に返信した際、「今後ともよろしくお願いいたします」と結んだにもかかわらず、お客様から「こちらこそよろしくお願いします」と返してきた場合、それに何も返信しないのは少しそっけなく感じるかもしれません

 今日はメールのラリーが続いた時に、感じのいい人たちが使っている、結びの一文をご紹介しましょう。

「感じよくメールを切り上げる一文」ベスト3

1. 「季節の変わり目ですので、どうぞお体に気をつけてお過ごしください。今後とも、よろしくお願いいたします」

 相手の健康を気づかうフレーズです。
 さらに「今後とも」を入れて、最後のメールであることを示唆した一文です。

2. 「また他にお力になることがございましたら、お気軽にお声がけください。このたびは、本当にありがとうございました」

「他に」と感謝を過去形にすることで、本件については終了したことを示す伝え方です。

3. 「ご丁寧にありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします」

 相手の返信の取りかかりがないように、あえて簡素にする方法です

 いかがでしょうか。
 いずれも、相手に負担をかけず、かつこちらから無視する形にならないフレーズです。

 メールは、単なる情報のやり取りだけではなく、印象を左右するコミュニケーションの一環です
 さりげない最後の一言で、相手に「感じのいい人」という余韻を持ってもらえたら、うれしいですよね。

(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。