
ファッションデザイナーの
コシノヒロコ・ジュンコ姉妹がOG
大阪府の南部・岸和田市にある府立高校だ。前身は1897年創立の大阪府第六尋常中学校で、130年近い伝統を持つ名門校だ。略称は「岸高」。
大阪・関西万博がこの13日から、大阪・夢洲(ゆめしま)で開かれる。会場内外で来場者の案内や清掃を行うボランティアは約2万人いる。そのユニホームを監修したのは、ファッションデザイナーのコシノジュンコ。岸和田高校OGだ。
コシノは55年前の1970年の大阪万博で、3つのパビリオンのユニホームをデザインした。ミニスカートを採用して流行の先端そのままを見せた。また、初めての挑戦として、マキシ丈・パンタロンを使った。70年大阪万博はファッションの自由度を高めたという点で、画期をもたらした。コシノは当時、まだ20代の若さだった。
今回のユニホームについては、体の大きさ、年齢や性別、人種の区別なく、海のようにのびのびと世界に通じていけるイメージを込めた――と説明する。コシノは、すでに80代になっている。
母の小篠綾子(大阪府立岸和田高等女学校・現和泉高校中退)はもちろん、姉コシノヒロコ、妹コシノミチコ(和泉高校卒)もファッションデザイナーだ。「コシノ3姉妹」と言われる。
ジュンコは39年8月生まれで、岸和田高校から文化服装学院に進んだ。3学年先輩の姉ヒロコと同じ進路だ。学院在学中、新人デザイナーの登竜門「装苑賞」を最年少の19歳で受賞した。78年に初参加したパリ・コレクションをはじめ、北京での中国最大のファッションショーを開催した。歌劇のコスチュームや学校の制服など多くのデザインにタッチした。
2017年には文化功労者に選定され、21年には世界のファッション界に対する貢献が評価されフランス政府からレジオン・ドヌール勲章シュバリエを受章した。23年には、母校の生徒たち用に新たな制服をデザインした。
姉ヒロコは東京、欧州・アジア諸国などでコレクションを発表、近年はアーティストとしても活動し、21年には兵庫県立美術館で「コシノヒロコ展」を開催した。