ときには寄り道して学べることもある

 また、夢を持っている人も「自分はやりたいことが明確だから大丈夫!」と決めつけるのは得策ではありません。夢があることはすばらしいことですが、そのことだけに意識が向いてしまうのは少しだけもったいないように思います。

 たとえば、皆さんが「将来は学校の先生になりたい!」という夢を持っていたとしましょう。すばらしい考えです。

 ただ、少し立ち止まって考えてみましょう。

 学校の先生という目標に向かってガンガン勉強をするのはいいですが、勉強だけしていればいい先生になれるわけではないですよね。

 学校は勉強だけを教える場所ではありません。学校行事や部活動などたくさんのことを経験しますし、生徒は思春期ですから人間関係でトラブルが起きることもあります。そんなとき、勉強だけを教えればいいと思っている先生になにができるでしょうか。僕は日本の優秀な先生たちはこのことをよく理解していると思います。

 つまり、いい先生になりたいのであれば、勉強もそうですが、皆さん自身がさまざまな経験をしていなければいけません。

「部活動やサークルを頑張った」「友だちと喧嘩した」「勉強がイヤになってサボってしまった」など、見方を変えれば、どれも先生になってから役立つことばかりです。

びーやまwakatte.TV・びーやま氏(Photo by Akifumi Shintani)

 ですから、夢を持っていたとしても、それ以外のことに意識を向けることも忘れないでください。「こんなことしていていいのかな」と思うようなことにもヒントはあるものです。そのことに気がつけるよう、心にゆとりを持ちましょう。

 加えて、大人になってしまうと時間に追われて、いろいろなことに挑戦しづらくなります。「いろいろなことができる」「どんなことにもチャレンジすることができる」のは学生の特権です。

 大学受験を頑張れた人には、その後の人生でもきっとたくさんのチャンスが訪れます。ですが、それは大学受験をゴールにしてしまった人のところには絶対に来ません。

 世の中では多くの高学歴な人が活躍をしています。ですが、それは高学歴だったら必ず活躍できるというわけではありません。

 高学歴な人が、現状に満足せずに努力を重ねられるから人生の成功を掴めるのです。高学歴はあくまでさまざまなことの成功確率を上げる一要素でしかなく、万能なものではないのです。世間で活躍している人は皆この感覚を持っています。

 大学合格を新しい成功体験にしながら、次の挑戦に目を向けていきましょう。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。