中学校に通わずに勉強できる?
一般家庭ではマネできない…
否定的な意見には以下のようなものがあった。
・学校でしか学べないことがあるから、中学校に通わないことで失うものが多いのでは。
・フォトナに全振りは人生設計としてリスクが高すぎやしないか。
・国が定める学習指導要領の無視を個人の判断で行ってよいものか→「個人主義はどこまでマクロ視点を持たずに許されるか」というそもそも論にも発展。
・他人の決断なのでその人の好きにしたらいいが、Tarouくんが将来どうなるのかには興味がある。
反対に、肯定的な受け止めは以下である。
・両親含めて地頭が良さそうだし、学校で教わるべき勉強は家庭学習で取り戻せる自信があるのだろう。この家庭だからできる選択で、一般家庭では真似できない。
・本人たちが一番悩んだうえで下した決断だからそれがベストなはず。
・音楽やスポーツ、芸術などで子どもがその分野の能力を育てるべく学校に通わない、または実質的に通えなくなるケースはこれまでも少数ながらあって、社会の理解をある程度得られていた。今回はそれがゲームということで理解を得にくくなっているのでは。
この話題で義務教育に関して盛んに言及されていたので、曖昧さ回避のためにここできちんと取り上げておきたい。義務教育とは「子どもが中学の範囲まで勉強しなくてはならない」という内容ではなく、「国民が子どもに教育を受けさせる」(教育基本法第五条を参照)というものである。つまり「義務」は子ども側にでなく、保護者側に課されるものである。
つまりTarouくんのケースで義務教育への抵触が疑われるのであればTarouくん本人でなく、その両親ということになる。
昭和39年の最高裁判決には、「義務教育は国の繁栄のためだけでなく本人の人格形成などのためになるから」といった言及がある。
Tarouくんのご両親は国の定めた既定路線からはずれようとしてはいるが、民法第820条に「保護者は子を養育する義務と権利を負う」という旨の定義もあり、両親が競技フォトナやYouTube活動を「これぞわが子に適したしかるべき教育」と考えているのであれば、この時点(両親の主観)においては憲法や法律に則ったものと解釈できるかもしれない。