フォトナを1日10時間近く練習
両親とTarouくんのチャレンジ

「一年かけて親子と中学で話し合った結果」(Xのポストより引用)、Tarouくんは中学に籍を置きつつ、通わない決断をした(そのまま卒業は可能)。適切な睡眠・運動・学習と、本気でフォトナを練習する時間を確保するためである。フォトナを競技的に考えた時、日に10時間近く練習する世界のトップ層と渡り合うためには学校に通わないことが必須条件であると結論した。

 また、Tarouくんがフォトナにおいて非凡な才能を発揮していることと、好きなことに集中して取り組む能力、反対に興味のないことには全く取り組めない性格、今本人が一番興味を持っていてかつ今しかできないことがフォトナ、競技フォトナを通して積む経験は今後の糧になるはず……などが判断材料となった。

 Tarouくんの活動は両親が強力にサポートしていて、Xのアカウント運用もそうだし、YouTubeの方はお父さんが企画を出してTarouくんがそれを楽しんでやる、という形態が取られている。だから「中学へ行かない」はTarouくん個人というよりは、その両親を交えた計3人によるチャレンジといってよさそうである。

 両親とも高学歴の頂点のような人たちで、父は東大が当たり前の家庭に育って自身も東大卒で現在フリーランス、母は「お受験人生」(本人談)ののち海外大卒で現在経営者である。TarouくんのYouTubeアカウントで得た収益はTarouくん個人会社で設備や機会投資のために運用されている、とのことである。

 世間の反応を見ていると、結構顕著に反応が分かれている。Tarouくん周りやプロゲーマー・ストリーマーは「厳しい決断だし大変だと思うけどがんばって!」である(近い人だから当たり前といえば当たり前の反応か)。

 しかし圧倒的多数のTarouくん周りにいない一般人は、なかなかTarouくんの進路をもろ手をあげて応援しにくいようである。取材記事を読んでいた読者の多くに特に引っかかったであろうと思われるのが、両親が「学習指導要領について懐疑的なので、中学の学習指導要領をカバーする気はない」と話した部分であろうか。