「中学行かない宣言」の小学生ゲーム実況YouTuber、あえて公言したことへの賛否を考える写真はイメージです Phto:PIXTA

子どもの教育に頭を悩ませる親は多い。生き方、働き方が多様な時代だからなおさらである。つい先日、ある小学生ゲーマーの「中学校行かない宣言」が賛否両論となった。現在すでにそれなりの稼ぎがあり、しかも彼の保護者は高学歴なのだという。戦略的に学校教育を避ける選択肢をどう捉えるか。(フリーライター 武藤弘樹)

「中学通わない」で物議の
小学生ゲーマー

 小学生のゲームストリーマー・Tarouくんが「中学校行かない宣言」をした件が注目を集めている。この宣言自体はXで2月に行われてちょっと話題になっていたが、この度「NEWSポストセブン」から取材記事が出て実態が深掘りされ、その内容が批判を集めるだけのようなものでなく、読む人を考えさせる特殊性を備えていたため、あちこちでさまざまな意見が出ているところである。

 なお、Tarouくんが小学生にしてだいぶ稼いでいて、すでに経済的に自立可能である可能性が高いことや、主体的に自分の将来の進路を選択していること、またご両親がTarouくんをそのように扱っていることから、成人に対して一般的に使う敬称の「さん」で呼ぶのが適切か迷った。

 しかしそれだと、自分の子どもを彼/彼女と呼ぶのに近い違和感を覚えもしてなんとも座りが悪かったので、「子どもは一個人として最大限尊重するけどむやみに大人扱いはしない」という気持ちで、筆者の個人的なスタンスが色濃く反映されることとなるが、本稿では「くん」付けで進めることをご理解願いたい。

 議論は主に2つのフィールドで行われている。「進路・選択の是非」と「中学に通わないと表明したことの是非」である。

 まず、だが、TarouくんはFortnite(フォートナイト、以下フォトナ)という世界で大人気のシューターゲーム(TPS)でアジア1位を穫るなどしている激ウマプレイヤーで、YouTubeのチャンネル登録者数は20万人弱の大手ストリーマーでもある。今年の3月に小学校を卒業した。