
月刊『WiLL』と『Hanada』は、中国・韓国の外交安保政策や朝日新聞を強く批判するタカ派論調が特徴である。硬派な内容とは裏腹に女性読者が多く、特に皇室ゴシップに関心が高い。雅子さまの適応障害報道時には、編集部に多くの女性の声が殺到したという。※本稿は、梶原麻衣子『「“右翼”雑誌」の舞台裏』(星海社新書)の一部を抜粋・編集したものです。
男性向け?と思いきや…
3~4割が女性という意外な現実
月刊『WiLL』や月刊『Hanada』(編集部注/花田紀凱は2004年11月の創刊から2016年3月まで月刊『WiLL』編集長を務めた後、スタッフと連載陣を引き連れてほぼ同じコンセプトの月刊『Hanada』を創刊した)の読者、というとどういう人を想像されるだろうか。男性の高齢者、ネトウヨなどがコアな読者層というのが大半のイメージだろう。
それは必ずしも間違ってはいないが、その割合は一般に思われているほど高くはない。
ある本には、「書店で『WiLL』を買う女性客を見たことがない」と述べる書店員のコメントが(翻って「高齢男性しか買っていない」と印象付ける意味で)掲載されていたが、一書店で「見たことがない」ことは、女性読者が存在しないことを意味しない。
少なくとも雑誌が始まってから10年ほど、つまり花田紀凱編集長時代の『WiLL』に関しては、女性読者の割合が3割から4割、と言われていた。『WiLL』の媒体資料にもそのように記載されており、当時の関係者によれば書店での調査を基にした数値だったという。
オピニオン系の月刊誌購読者の男女比率は明確にはわからないが、女性購読率は思ったより高いのではないか。