現在中学3年生のE君。小学生の頃は、学校の勉強についていくのが大変だったといいます。上のお兄ちゃん2人は中学受験組でしたが、本人は早々に「受験はしない」と宣言。

 周りが中学受験に向けて勉強に取り組む中、コロナ禍で余ったおうち時間に、E君は本格的に料理をするようになりました。ハンバーグ、ナポリタン、唐揚げ、プリンなど、動画を見てサクサクつくってしまうそうです。最近ではフレンチにはまり、「料理用の刷毛がほしい」と道具にも興味が出てきたといいます。

 まだ中学生のE君が、シェフになるかどうかはわかりません。しかし、E君が「自分の充足感は料理にある」と見つけられたのは、E君にそれをするだけの時間と心の余裕があったからです。

実は作家には
早生まれ族が多い

 自分の好きなことを、コツコツと続けられる。

 それは早生まれ族が置かれた環境によるものかもしれません。書くことをずっと続けてきた、という小説家の綿矢りささんに、お話を伺ったところ、「小説家は早生まれが多いという話を聞いた」という興味深い情報が。

 そこで、2025年現在の芥川賞、直木賞の選考委員の誕生日を調べてみました。

〈芥川賞選考委員 ※2025年2月現在、敬称略〉
小川洋子 3月
奥泉光  2月
川上弘美 4月1日
川上未映子 8月
島田雅彦 3月
平野啓一郎 6月
松浦寿輝 3月
山田詠美 2月
吉田修一 9月

9人中6人が早生まれ

〈直木賞選考委員 ※2025年2月現在、敬称略〉
浅田次郎 12月
角田光代 3月
京極夏彦 3月
桐野夏生 10月
林真理子 4月1日
三浦しをん 9月
宮部みゆき 12月
辻村深月 2月

8人中、4人が早生まれ

「競争に適応して不幸になる子」と「個性を伸ばして幸せになる子」の決定的な違い『本当はすごい早生まれ』(瀧 靖之 飛鳥新社)

 たった17人の選考委員中、10人が早生まれ。そのうち、4月1日生まれが2人もいるという驚きの確率です。

 もちろん、単なる偶然かもしれません。ただ現在、日本の代表的文学賞を選ぶ選考委員が、早生まれ族が中心となっているということは、間違いのない事実なのです。