フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

間が空きすぎてお忘れの読者の方も多いのではと心配しつつ……昨年掲載していた、航空自衛隊那覇基地レポートを再開します。今回お話を聞いたのは、同じ航空自衛隊の飛行機に何かあった場合、乗員を助けに行く救難隊のみなさん。救難隊員って、飛行機に乗り、山を駆け、海を泳ぎ……というスーパーマンの集まりなのです。米軍から受けついだという、彼らのモットーとは?今週は前ヨタなし、いきなり本編からスタートします。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

航空自衛隊 那覇救難隊にお話を聞いてきました

 荒れ狂う海上。吹雪に閉ざされた山岳地帯。あるいは闇に包まれた夜空の彼方……人命の危機がある場所へとためらうことなく飛び立つ、命知らずの男達がいる。

 航空自衛隊、航空救難団。数ある救難部隊の中でも屈指の技量と精神力を誇り、「最後の砦」とも呼ばれる空の守護神、空の精鋭部隊である。

 救難活動は、時間との戦い、自然との闘い、そして自らの恐怖心との戦いだ。彼らのモットーは “That Others May Live”(他の者が生きるために)。この言葉には、救助活動にすべてを賭ける男達の信念が込められている。

 今回の「走りながら考える」は、航空自衛隊航空救難団 那覇救難隊取材記をお送りする。

U125A(飛行機)とUH60J(ヘリコプター)の模型救難活動は基本的に飛行機+ヘリコプターの組み合わせで行う。今回訓練を見学した、U-125A(飛行機、左)と、UH-60J(ヘリコプター、右)の模型 Photo:Diamond

 お話を伺うのは、航空救難団 那覇救難隊長 2等空佐 亀澤純さんと、航空救難団 那覇救難隊 飛行班長 3等空佐 山口達也さんのお二方である。

航空救難団 那覇救難隊 飛行班長 3等空佐 山口達也さん(以下、山):ようこそ那覇救難隊へ。我々の任務の説明の後、救難探索機のU-125Aに搭乗して、実際の救難訓練を空の上から見学していただこうと思います。我々は基本的にU-125Aという飛行機と、UH-60Jというヘリコプターの2機1組で活動しています。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):実際に救難探索機に乗れるのですね!