一方で、告白しなかった場合は、大きなショックを受けることはないかもしれませんが、「やれば良かった」という気持ちを何年も引きずることになったりします。
それにもかかわらず、「失敗したくない」「後悔したくない」という感情から、行動しないことを選ぶ場合が多いのです。
「やらずに後悔するならば、やって後悔するほうがいい」という名言がありますが、これも、「やらない人」が多いからこその言葉なのでしょう。
漠然とした不安を細かく
分解すると正体が見えてくる
新しいことにトライできない、やりたいことができない、変わらないといけないのに変われない……。そんな声をよく聞きます。
今は変化の速い時代です。仕事でも、昨日までの成功法則が、明日には通用しないかもしれません。そんなときに「後悔の回避」は障壁になる可能性があります。
では、私たちはどうすれば「後悔の回避」を取り除けるのでしょうか。そして、どうすれば新しいチャレンジの一歩を踏み出せるのでしょうか。
まずは、自分の判断も他人の判断も「後悔の回避」の影響を受けていると認識することです。
そのうえで、私がおすすめしたいのが、後悔のもとになる「不安」や「リスク」を徹底的に分解し、それを言語化すること。
「後悔の回避」が起きるのは、後悔を生むかもしれないと思っている「不安」や「リスク」があるからです。でも、この不安やリスクは、たいていの場合は解像度が低く、ぼんやりとした状態で存在しています。大きな、漠然とした不安やリスクだと、どう対策したらいいかわかりません。
そこで、この「不安」や「リスク」をどんどん細かく分解していき、「小さな不安」や「小さなリスク」にしていきます。そうすることで、「対策」があることに気がつきます。小さな不安やリスクならば、対策を具体化できるのです。
実はこの方法はスポーツ心理学で取り入れられているもの。スポーツ選手は、不安を感じると、実力どおりのパフォーマンスを発揮できません。失敗したときのことを想像して心身が萎縮してしまうからです。
そこで推奨されているテクニックが、不安な要素を細かく分解して言語化することです。