「チャレンジしておけばよかった」
死に際に後悔したってもう遅い

「後悔の回避=現状のままでいいや」という気持ちの裏側には、不安やリスクを避けたいという気持ちが隠れています。

 でも新しいチャレンジができないと、せっかくのチャンスを逃したり、あとになって「やれば良かった」と後悔したりする可能性もあります。

 アメリカで80歳以上の高齢者を対象に「人生で最も後悔していることは何ですか?」というアンケートを取ったところ、なんと7割の人が「チャレンジしなかったこと」と回答したそうです。

書影『世界は行動経済学でできている』『世界は行動経済学でできている』(アスコム)
橋本之克 著

 人生の終盤になって後悔するのは、失敗したことよりも「やらなかったこと」だということですね。国が違っても、「非行為後悔」の精神的なダメージが長く残る傾向は変わらないのでしょう。

 忙しい毎日に忙殺されて忘れていた「やれば良かった」「やりたかった」という過去への思いが、人生を振り返るタイミングに、大きな後悔となって蘇ってくることもあります。

 そんな気持ちを抱え込まないためにも、自分自身も「後悔の回避」に左右されてしまう性質があると知るべきです。

 そして新たな一歩を踏み出してみましょう。その際に不安をなくす具体的な方法として、行動を躊躇させる不安要素を細分化、言語化、明確化して、1つずつ対処法を考え実践するという方法をぜひ、試してみてください。