厳しいしつけは逆効果?「親に願いを聞いてもらった子」が真っ直ぐに育つ理由Photo:PIXTA

「抱っこして」「お菓子が食べたい」「あれ買って」……駄々をこねる幼い子どもには、親としてどのように対応するのが正解なのだろうか。2017に亡くなるまで児童精神科医として50年活躍した佐々木正美が、子育てに悩む親に子育てのメッセージを贈る。※本稿は、佐々木正美『子育てのきほん』(ポプラ社)の一部を抜粋・編集したものです。

「抱きぐせがつく」と
心配する必要はない

いくら抱いても、
いくら甘やかしても
かまいません

 国によっても子育ての習慣はさまざまです。日本とよく比較されるのは欧米ですね。たとえば欧米のお母さんは夜赤ちゃんが泣いても添い寝をしない、早くから子ども部屋でひとりで寝かせる、といったものです。

 世代によっても考え方に違いがあります。若い世代のお母さんが、孫が泣くとすぐに抱っこをするおばあちゃんに「抱きぐせがつくから困るわ」と苦情を言うこともあるかもしれません。

 けれど、こうしたことにあまりとらわれる必要はないと思います。

 抱きぐせというのは、どういうものをいうのかよくわからないけれど、だいたいは「甘えて抱っこをせがむ回数が増える」「抱っこしつづけていないと泣く」それによって、親が困るというようなことでしょう。でも可能な範囲でいくらでも抱っこしてあげればいいと思います。おばあちゃん、おじいちゃんに抱いてもらって喜んでいるのなら、むりにやめさせることはありません。