どうしても気になるのだったら「ごはんの直前に、お菓子をもらいに行ったでしょう?そうするとごはんがたくさん食べられなくなるよ。ごはんの前は少しだけがまんしようね」と叱らずに言い聞かせればいい。
そうすると子どもも少しはわかるし、おじいちゃんやおばあちゃんも、翌日また子どもにせがまれても、「ごはんが食べられなくなるよ」「ごはんのあとにあげようか」とひとこと言う、ということになる。
毎日それをつづけて、ほんとうに夕食を食べないというならちょっと問題ですが、普通はそんなことはないはずです。ときどきおやつを食べ過ぎて、ごはんが食べられなかった、ということぐらいで、子どもの成長や発達に影響などありません。
あるとき私は子どもたちに「おじいちゃん、おばあちゃんに叱られたことはあるかい?」ときいてみたことがありますが、どこの子も口をそろえて「一度もない」と答えました。どんないたずらをしたって祖父母は絶対に叱らないのです。
親が叱ると、子どもたちは祖父母のほうに一目散に逃げていってしまう。保護してくれる人のところに避難してしまうんですね。
しかも、叱られたことを祖父母にあれこれ話して同情を買おうとしているわけです。
隣の部屋から聞いていると祖父母はこんなことを言っています。「あんたは悪い子なんかじゃないんだよ」「あんたはちっとも悪くない」。悪いことをして親に叱られたのがわかっていても、祖父母はこう言うのです。さらに、言うにことかいて「あのね、あんたのパパなんかもっと悪い子だった」などと言って、孫を慰めている。困ってしまいますね。でも、それでいいのです。
孫たちは祖父母の頼みを
けっして断らなかった
親の言うことはきかなくても
老いた祖父母の言う
ことならなんでもききました
息子たちは祖父母のことが大好きでした。嫌いになるはずがありません。
けれど、祖父母に愛され、祖父母が大好きだったからといって、親をないがしろにする、というようなことはありませんでした。これは私の家族のケースだけではありません。祖父母にうんと甘やかされた子どもが、自分の両親を避けたり、ないがしろにする、といったことは聞いたことがありません。