蘭子役の河合優実&豪役の細田佳央太は
「若手演技派」の代表格

 豪(細田佳央太)に決まっている。

 豪は豪で、ひそかに蘭子が気になっているようだ。

「うちの縁談、どう思う?」蘭子は思いきって豪に聞く。

 だが豪の答えは期待とは違った。

「お金持ちやしええ話やと思います」と返事され、「そう。そうやね」と蘭子は無理して笑顔を取り繕う。

 本当は止めてほしい。そんな蘭子の乙女心が伝わってくるようだ。切ない。

 河合優実と細田佳央太は若手演技派の代表格。セリフは少なめながら役の心情が鮮やかに感じ取れる演技をしている。

 その晩、蘭子は縁談を受けると羽多子(江口のりこ)に言う。

 羽多子は驚いて、そんなに簡単に決めてはいけないと、夫・結太郎(加瀬亮)からの大量の手紙の束を見せる。出張がちの夫であったが、出張先からせっせと手紙を送ってくれていたのだ。

 母と父の愛情に心動かされる蘭子。それでもかたくなに嫁に行くと言い張る。豪への気持ちが届かないから自暴自棄になっているのかもしれない。

 このまま蘭子はお嫁に行ってしまうのか。結果的に岩男は蘭子と豪のキューピッドになるのではないだろうか。いくら、岩男役の濱尾ノリタカが『あさイチ』で、博多華丸・大吉に似ていると話題になり、ゲスト出演も果たしたといえ、そこまで重要人物になるとは思えない。いや、でも油断は禁物だ。

 蘭子はまだ十代だが、岩男の母は17歳のときに嫁いだと言う。この時代はまだそういう時代であったようだ。

 第23回は女性の生き方がテーマになっていた。

 例えば、玉の輿に乗る幸せもあるだろう。

 その一方で、蘭子が第22回で語った、地味でもホッとする実家暮らしの幸せもある。

 だからといって、女性の幸せは必ずしも家庭にあるわけではない。時代は変わりつつある。のぶ(今田美桜)は黒井雪子(瀧内公美)からこれからの女性は「温順貞淑だけではいけない」と厳しく言われる。国家が非常時になって男性が戦場に行くことになったら、代わりに女性も戦えるように備えなくてはいけないと。