
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第20回(2025年4月25日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
朝田家のお祝いは
お赤飯的な「あんぱん」で
「絶望の隣はにゃあ……希望じゃ」
名言メーカー寛(竹野内豊)の名言また出た。
第3週、「なんのために生まれて」と 第4週「なにをして生きるのか」も寛の口から出たものになっている。
のぶ(今田美桜)が受かって嵩(北村匠海)が落ちた。朝田家ではあんぱんを家族が1個ずつもらって、それがお祝い。柳井家の前祝いの鯛と天ぷらと御赤飯に比べて質素。ここで注目は、「お祝いしてもらって」とのぶが言ったときに、ヤムおんちゃん(阿部サダヲ)があんぱんを強調することで、あんぱんでお祝いしているのだとわかるのだ。
家で毎日製造しているあんぱんはもう食べ飽きているんじゃないかと思うけれど、あんぱんは高価だし、祝い事や行事ごとにはあんぱんという決まりになっているのだろう。御赤飯的な存在なのかも。
のぶとヤムがあんぱんを届けに柳井家を訪問すると、こちらはとても暗い。ここで「うちの家族はうれしいときもかなしいときもあんぱん食べるんです」と言うが、どうもお邪魔だった様子。
登美子(松嶋菜々子)はのぶが嵩に勉強を教わりに来ていたせいで彼の勉強を邪魔したのではないかと言い出す。それをとがめる千尋(中沢元紀)。