蘭子(河合優実)に想いを伝えるシーンは
「お芝居で生まれるものに従おうという気持ちだった」
――実はずっと蘭子(河合優実)に思いを寄せていた豪ですが、蘭子のどのようなところに惹かれていたと思いますか?
蘭子さんは何よりも家のことを一番に考え、家族を大事にしている方で。しっかりしていて面倒見がよく、視野が広い。そんなところに惹かれたんだと思います。
第5週で岩男(濱尾ノリタカ)さんが蘭子さんに結婚を申し込みに来ましたが、豪としてはもう心臓がバックバクで(笑)。そのあと出勤する蘭子さんが作業場の横を通るときに、演出の方から『石をたたく音で感情を表現してほしい』と言われ、豪の動揺を音で表現した場面もありました。
――豪に召集令状が届き、みんなで壮行会を開きます。その後、蘭子とお互いの気持ちを伝え合う場面もありましたが、いかがでしたか?
この時代、戦争に行くことはとても誉れのあることで。豪としてはネガティブな感情はありませんが、唯一の心残りは蘭子さんとの仲をそのときにはまだ縮め切れていなかったこと。だからこそ、二人の思いが通じ合うシーンは、台本を読んだときから感動的なシーンだと感じていました。
蘭子役の河合さんとは3度目の共演ですが、一緒にお芝居をしていると、より集中して意識を広げないといけない瞬間がたくさんあり、すごく背筋が伸びる感覚があります。それが楽しいですし、刺激をもらえる方ですね。
このシーンの撮影も、河合さんとのお芝居で生まれるものに従おうという気持ちだったので、細かいことや方言すらも一切気にせずに臨みました。
羽多子(江口のりこ)さんから『豪ちゃん、蘭子をよろしゅうお願いします』というセリフを受けますが、そこで初めて朝田家の家族の一員になれた気がして、こみ上げてくる感情がありましたね。戦争もありますし、物語の中でそれぞれの苦難もたくさん描かれていますが、その中でこのシーンが輝いて見えていればいいなと思います。