直接的には「楽しいから」が理由です。なぜゲームが楽しいのかを考えると、先述したように、やればやるだけどんどん伸びている成果が表示されることで成長が見える化されているからです。
ということは、日々のタスクも見える化させて成長がわかるようになれば、子どもは自然と自分から行動を起こすようになります。
これが自走のシステムです。
成長することにわくわくするのが
人間の深層心理
自走すれば、それにともない「自律」して、やがて「自立」できるようになります。「自律」とは、自分の欲求や行動をコントロールできること。「自立」とは、自分一人で独立的に生きていけることです。
これは、幼稚園に登園できたらシールを貼る仕組みと同じです。
子どもが「登園できたこと」=「成長を見える化」することで、幼稚園へ行くモチベーションが高まります。
自分から登園=「自走」できることで、幼稚園へ行くために必要な準備を自分で用意する=「自律」できます。やがて、親の意見は関係なく自分の意思だけで登園する=「自立」するようになります。
人間の深層心理では、成長することにわくわく感を覚えます。成長の見える化は、自走力を鍛えるための必需品です。
もちろん成長の見える化は必要なく、勉強が好きだから、興味があるからと進められる子であれば、そのままで大丈夫です。生活習慣についても、いちいち親から言われなくてもきちんとできるようであれば、見守っていればいいでしょう。
しかし残念ながら、そのようなケースは多くありません。子どもに自走力がないことは、保護者のイライラの原因になってしまうのです。
そんなときはぜひ「子ども手帳」を作って実践してみてください。子どもの変わりように驚くでしょう。
子どもたちの自己肯定感を
下げている原因は「勉強」
「子ども手帳」は、自己肯定感を上げるための手帳といっても過言ではないほどの効果があります。自己肯定感とは、「短所も含めて今の自分がイイね」と思える気持ちです。
日本の子どもたちは、自己肯定感が低いという実態が統計データによって示されています。つまり、自分のことを「イイね」と思えない子どもがたくさんいるのです。