この手帳の仕組みを試してみるとわかりますが、毎日ある一定のパターンが形成されていきます。人間は決まった時間に決まったことを繰り返すことで、それが歯磨きのように自然と習慣化されていきます。

 通常、子どもはやりたくないことは後回しにして、やりたい遊びを先にやる傾向があります。これは大きな問題ではありませんが、結局やらなければならないことが終わらなくなって、子どもの寝る時間が遅くなってしまった経験をした保護者も多いのではないでしょうか。

 それが習慣になってしまうと、その非生産的なサイクルから抜けだすことが難しくなります。

 しかし「子ども手帳」の仕組みを活用すれば、いい習慣が身につきます。

書影『勉強しない子には「1冊の手帳」をあげよう!パワーアップ完全版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『勉強しない子には「1冊の手帳」をあげよう!パワーアップ完全版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
石田勝紀 著

 やりたくないけれどやらねばならないことほどポイントの点数を高くすると、やるべきことを先にやるようになり、しかもそれが習慣化できるのです。

 これは、ロールプレイングゲームにおいて、弱い敵を倒しても加算される経験値が少ないのに対し、強い敵を倒すと高い経験値をもらえるのと同じ原理です。

 この仕組みを使えば、初めはやりたくなかったことでも続けられるので、それが自然と習慣化され、やがて成果がでます。

 勉強なら成績が伸び、生活習慣が改善されれば親から褒められるので、子どもは喜びが強くなり、その習慣を継続するモチベーションが相乗効果で高まります。

 ここまでくれば、「継続は力なり」の法則が働くため、子どもたちはもはや「子ども手帳」がなくても習慣の力で行動できるようになっていくのです。