また、この瞬間でしか意思決定ができないこともあれば、逆に「いまは決めない」と、あえて意思決定を先送りすることもあります。
意思決定にはもれなく時間的な制約があります。しかし、意思決定のタイミングは早いほどよいというものでもなく、あえて遅らせることがよいこともあります。
早い方がよい場合が多いですが、情報が足りず、意思決定自体が大きく誤っている可能性もあるでしょう。決めてしまった判断を翻意することはとても難しいことです。だからこそ、重要な事象については意思決定のタイミングを計り、必要な情報を集めて自分の解像度・理解が進んでそれらが整ったタイミングこそ、機が熟したといえるのでしょう。
この意思決定のタイミングの重要性を認識しつつ、できるだけ早く、しかし拙速でない意思決定をしていくことが求められるのです。
「何を、誰が、いつ決めるのか」
という問いを持ち続けよう
明確で非連続な事象であれば、意思決定をするタイミングの認知はできます。
しかしこれが、重要な局面の意思決定であるにもかかわらず、連続性のなかでの意思決定の場合は、適切にそのタイミングを認識してエネルギーを割かなければ、「意思決定のタイミングを逃す」ことになりかねません。
「人生は選択の連続(Life is a series of choices.)」(『ハムレット』/ウィリアム・シェイクスピア著)であり、意思決定のタイミングはつねにあります。目の前に意思決定の機会はあり、決めるべきときはいまなのか、いまではないのかを絶えず自問し続けるとよいのでしょう。
意思決定のタイミングを逃さないためにおすすめなのは、「決めることはなにか」「誰が決めるのか」「いつ決めるのか」を毎回の会議において問いとして持っておくことです。
会社であればプロジェクトのオーナーは基本的に決まっているはずですが、曖昧なケースもあります。
異なる組織間における利害調整の場面など、場面によって「これは私に判断してもらいたい会議なのか?」と、自分に決める役割が明確に求められているかどうかを確認するケースもあります。