うなだれるビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

人生と同じく、経営においても日々の意思決定の積み重ねが結果を作っていく。しかし、最適なタイミングで正しい判断を下すのは容易なことではない。意思決定の精度を高めるための方法を、専門家がレクチャーする。※本稿は、川口荘史『ビジネスリーダーのための意思決定の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

「あのときが分岐点だった」
“後の祭り”を避けるには

 意思決定を認知し、改善していくポイントをまとめると、「決めるタイミングを認識すること」「自覚的であること」「振り返りをすること」の3つです。最初はうまくできずとも、意識的に意思決定のタイミングをとらえていくだけでも、生き方や仕事の在り方に変化が起きるでしょう。

 最初のポイントは、「決めるタイミングを認識する」です。これが意外と容易ではありません。皆さんにも、「思えばあのときが分岐点だった」ということはないでしょうか。意思決定すべきタイミングであったことをあとで気づくことほど、悲惨なことはありません。

 その場を強く意識的に過ごすだけでも、個人としての生き方がよりよいものになります。この記事で強くすすめたいのも、意思決定の情報や方法などの前に、まず自覚的で、タイミングを認識してほしいということです。

 しかし、決めるべきタイミングを適切に設定することは容易ではないでしょう。多くの意思決定が並行して起きることもあるため、優先順位をとらえつつ、それぞれ必要なタイミングに意思決定を行っていくことが必要です。