「新聞は正しい教材」ではなかった? 読解力が伸びる文章との決定的な差
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【驚きの誤解】新聞を読めば国語力が伸びると思っていた親がハマった“落とし穴”Photo: Adobe Stock

新聞=国語力アップ? その誤解

短くて論理が複雑な文章というと、新聞を思い浮かべる人も多いでしょう。

実際、「国語の勉強で新聞を毎朝読ませています」とおっしゃる親御さんが、少なくありません

教育現場でも導入される「新聞活用」

教育現場では、「教育に新聞を(NIE=Newspaper in Education)」という活動が展開されています。

これは1930年代にアメリカで始まった活動であり、日本でも1980年代から推進されています

新聞は読解力を鍛える教材ではない

子どもが新聞を読んだり、学校が新聞を学習に用いたりすることに反対するわけではありませんが、国語力向上の狙いで新聞を読むのはあまり合理的ではありません。

新聞に課せられた使命は、情報をできるだけ正確にわかりやすく伝えること。そのため新聞の文章の形式や論理展開はワンパターンかつ単純であり、使われている単語も額面通りに受け取れば理解できるものばかりなのが実態です。

国語力を鍛えるには「行間」や「文脈」が必要

論理展開が複雑で読解が難しい文章、行間を読まないと意味が伝わらないような単語の使い方をしているテキストは、新聞では“悪文”なのです。

また、新聞記事で報じられる事件や社会問題で使われる語彙などは、難しいものが多いわりには、種類が多いわけではないですから、なかなか語彙も増えにくいもの。

「新聞を読む子=賢い子」ではない理由

同じ負荷の運動をずっと繰り返していても、なかなか筋肉が太くならないように、新聞を毎朝読んだとしても語彙力・国語力の向上にはつながりにくいのです。

「新聞を毎日読んでいるから安心」「語彙力は自然と伸びるはず」と思っているとしたら、それは少し危うい思い込みかもしれません。

新聞は、たしかに世の中の出来事を知るうえでは非常に優れたツールですが、語彙力や読解力を鍛えるという目的においては、限界があるのです。

新聞は「情報収集用」、学習は「別メニュー」で

語彙力を育てたいなら、新聞はあくまでも“補助的な素材”として使い、本当に力を伸ばしたいなら、「読みごたえのある教材」や「文脈を要する文章」に取り組むことが大切です。

スポーツに例えるなら、新聞はウォーミングアップ。筋肉(=語彙力)を大きくしたいなら、それに見合った負荷が必要なのです。

“わからない”に出会うことで、語彙力は伸びる

「わかりやすさ」は新聞の美徳ですが、それは逆にいえば、“思考を深掘りするチャンス”が少ないということ。国語力を育てるには、「ちょっと引っかかる言い回し」や「すぐには意味がつかめない語句」と出会うことが必要です。

それを自分の頭で考え、文脈から読み取ろうとする行為こそが、語彙力アップの原動力なのです。

まとめ:新聞は「知識」を、読書は「力」を育てる

新聞は、社会の動きを知るための「知識の入り口」です。対して、語彙力・読解力は、それらの情報をどう受け取り、どう考えるかを支える“思考の力”です。

両方とも大切ですが、それぞれの役割を見極めて使い分けることが、最も効率的で実りある学習法になります。

※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。