2017年6月1日から7月14日にかけておこなわれたアンケートの対象は、販売やレジ業務、クレーム対応スタッフら。UAゼンセン流通部門が当時、100万人規模だったので、2%にあたる2万件の回収をめざしていたが、締め切りを過ぎても回答が寄せられ、最終的には約168組合から、約5万件強集まった。当時はアンケート用紙だったが、「私にも書かせて」という組合員が続出し、回答用紙が何枚もコピーされたのだという。

 回答者は、10~70代の男女で、女性が65%を占めた。年齢別では10代も539件、20代が7396件、30~50代がそれぞれ1万件以上あった。組合員にとって、それだけ切実なテーマだということが伝わった。

包丁を向けられ、ネットで晒された…
9割がストレスを訴える

 アンケートの結果によると、「業務中に来店客からの迷惑行為に遭遇した」と回答した人は73.9%。複数回答を認めるなかで、迷惑行為の内容について聞いたところ、最も多いのが「暴言」で27.5%で、2万4107件あった。「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」(16.3%)、「権威的(説教)態度」(15.2%)、「威嚇・脅迫」(14.8%)、「長時間拘束」(11.1%)が続いた。

 ほかにも「セクハラ行為」(5.7%)、「金品の要求」(3.4%)、「暴力行為」(2.0%)、「土下座の強要」(1.8%)といったことまであった。さらに「SNS・インターネット上での誹謗中傷」も0.5%で、465件あった。

 迷惑行為を受けた人は自身にあった影響として、ストレスをあげた。「強いストレスを感じた」(53.2%)、「軽いストレスを感じた」(36.1%)と答え、約9割がストレスを感じていた。

 一方で、迷惑行為にあったときの現場での対応の難しさも浮き彫りにした。「謝り続けた」(37.8%)、「何もできなかった」(5.8%)が、計43.6%を占めた。

 こうした迷惑行為は、回答者の49.9%が「増えている」と答えた。

 自由記述欄で浮かび上がったその中身も悪質だった。

「お客様が購入した包丁の切れ味が悪いとのことで、返品対応した際、『高い商品を買ったのに研いでも切れない』とその包丁をむきだしで、こちらの顔まで近づけてきた」

「商品の場所を聞かれ、その場所へ案内して、商品に手を指してお伝えしたところ、『なんなんだ、その態度は?名前は何と言うんだ?』と胸ぐらをつかまれた」