専門用語の使用を避けて
参加のハードルを下げる
全国本田労働組合連合会事務局次長の水上佑輔さん(39)は、関心を広げるために出身のホンダテクノフォート労組で取り組んできた具体策について話した。
「労働組合の専門用語をなるべくやめて、(組合内のイベント活動である)レクリエーションを組フェス、部会や連絡会といった会議も組トークなど呼び方を変えて、参加のハードルを下げている。従来の組合用語がわからない執行部も出てきているが、それでも労組の機能が伝わればいい。意識しているのはブームではなく、文化をつくること」

参加者が大きくうなずいた。
別のグループは、労働組合の改革がテーマ。「新しいことをしたい、変えたい、でも労働組合では変革が難しい」が課題だ。
入社7年目で、9月に執行部に入ったばかりのエスアールエルユニオンの熊谷亮子さんは率直にこう話した。
「何かを変えたいというよりも、新しい、やってみたいことをやってみればいいのかな、と。その結果、何かが変わるのかも」
あとの参加者3人は執行部経験が5~6年と長く、一瞬言葉を失った。ただ、トランスコスモスユニオン中央執行委員長の山口潤さん(46)は改めてそれが本質だと気づかされた。
そのあとは3人によって、企業別労働組合などで、組合員の納得感が高まるように会計面の改革や、職場集会を研修の場に設定したり、変革したいことをマップに落とし込んで理解してもらったりした経験などが共有された。共通していたことがあった。
「やりたいこと、変えたいことを言語化し、ビジュアル化する。そうやって共感してもらうための仕掛けをつくることから始めた」
どうやって労働組合の価値や魅力を伝え、今の時代に活動を広げていけるのか。そのためにどんな改革が必要なのか。模索は続いている。