ZEH住宅の進化系がLCCM住宅です。LCCM(LifeCycleCarbon Minus)住宅は建物の建設時から廃棄時に至るまで、すべての工程でなるべくCO2を削減し、創エネにも取り組むことで、長期で見てCO2の収支をマイナスにすることを目指す住宅。今はまだZEH住宅が直近の目指すところですが、ZEH住宅が標準化した次の段階では、LCCM住宅の普及が進められるでしょう。
今後、省エネは当たり前になり、各家庭での創エネの定着化も図られることになりますが、すでにいくつかの自治体では、新築住宅への太陽光パネルの設置を義務づけています。
省エネ性能が高い家は
資産価値を維持しやすい

長嶋修 著
東京都もそのひとつで、2025年4月から開始予定。2025年4月以降に建築される、延床面積2000平方メートル未満の建物が対象です。
これに先立ち、都では省エネ住宅の新築や既存住宅の省エネ改修に補助金も出しています。地球温暖化は待ったなしの状況であり、脱炭素化を少しでも進めるためには必要な取り組みと言えるでしょう。
これまでもそうだったように、省エネ基準は技術の進歩と環境問題の深刻さが増すにつれて、ますます引き上げられていく見通しです。それを考えると、これから家を建てたり買ったりするのであれば、省エネ性能の高い家を選ぶことが資産性の維持につながると言えます。
また、せっかく省エネ住宅を建てても、メンテナンスをせずに何十年か経ったところですべて建て替えるようでは、省エネとは言えません。既存のものを大事に使っていくことも、重要な省エネ行動です。これまでの日本では、戸建の場合だと30~40年くらい経ったら建て替えるのが当たり前のように考えられてきましたが、今後はマンションのようにメンテナンスしながら長く住むのが常識になるでしょう。