
「今日は仕事で疲れたから、ジムに寄って汗を流そう」「休日は温泉に出かけてリフレッシュ」「今日はプレゼンで疲れそうだから、栄養ドリンクを飲もう!」とやってみたところで、帰宅したらなぜか疲れがとれていない。むしろ、かえって疲れが増えた?と思うことはありませんか?実は、これらの方法は疲労回復にまったく効果がないどころか、反対に疲労をため込んでしまっています。では、なぜ疲れがとれないのでしょうか?東京疲労・睡眠クリニック院長・梶本修身氏の『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』(日本文芸社)から9割が間違えている疲労回復のウソ・ホントを紹介します。
栄養ドリンクは飲むほど疲れていく
「疲れがとれた」は勘違い!
栄養ドリンクで疲れ解消!と思っている人は多いようですが、実は現在市販されている栄養ドリンクの中で疲労回復効果が人を対象として科学的に実証できているものは1つもありません。現在、栄養ドリンクの多くが「タウリン」の含有量をアピールしていますが、そもそもタウリンに疲労を回復させる効果はありません。しかもタウリンは体内で必要量を合成できる成分のため、大量に摂取する必要はありません。
それでも、栄養ドリンクを飲むと、頭がスッキリして疲れがとれた気がするという声もありますが、ドリンクに含まれている大量のカフェインの覚醒作用と、微量のアルコールで気分が高揚しているだけ。疲労そのものは解消されていません。それどころか、過剰に摂取すると感情のコントロールが効かなくなったり、依存症を引き起こしたりする恐れがあるとして、安全性の調査が行われている国もあるのです。
例えば、徹夜明けのプレゼンや試験勉強など、一時的に気合を入れたいときの目覚まし剤としての効果は否定しません。ただし、頼り過ぎは禁物です。日常的に栄養ドリンクを摂取していると、その覚醒効果や高揚感で疲れが回復できたと思い込み、実際は疲労が蓄積されていく危険性があるからです。かえって疲労回復の妨げになってしまうのです。