「たくさん寝ているのに、疲れがとれない…」睡眠の質を爆下げする危うい習慣とは疲労回復のためには十分な睡眠が必要だが、単純に睡眠時間を延ばせばいいわけではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

疲れを回復するためには睡眠が最も効果的だと言われます。とは言っても、ただ単に睡眠時間を長くすればよいわけではありません。大切なことは質のよさです。東京疲労・睡眠クリニック院長・梶本修身氏の『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』(日本文芸社)から快眠のコツを紹介します。

脳にとって最高の休息は良質な睡眠
睡眠は脳を休める特効薬!

「なかなか寝付けない」「すぐ目が覚めてしまう」など、睡眠に関する悩みを抱えている人は少なくありませんが、十分な睡眠がとれなければ、疲労は解消できません。睡眠は脳に休息をもたらすからです。昼間の活動によってダメージを受けた脳細胞の老廃物を取り除き、修復・回復をします。睡眠は認知機能や記憶力の向上、さらには精神的な安定にも力を発揮します。

「睡眠負債」という言葉を聞いたことはありませんか。これは日々の睡眠不足が借金のように積み重なった状態のことで、放置すれば生活習慣病のリスクを高めてしまいます。睡眠不足が続くと、脳内で活性酸素が過剰に生成され、酸化ストレスが加速します。活性酸素は脳細胞をサビさせる大きな原因。睡眠中は副交感神経が脳をリラックスさせるとともに活性酸素を効率的に除去して脳細胞を修復するわけですが、睡眠不足になると、この修復機能が不十分になり、活性酸素が蓄積しやすくなるのです。

 3~4時間の睡眠でも十分というショートスリーパーの人もいますが、10万人に4人程度に過ぎないのだとか。自律神経のバランスを保ち、疲労を回復させるためには少なくとも6時間の睡眠は確保したいものです。自称ショートスリーパーのほとんどは睡眠不足に気付ていないだけです。